悠久の歴史を感じる岩谷観音堂

Googleマップ上にあって存在だけは以前から気になっていた上総湊の岩谷観音堂へいってきました。場所は国道127号線から内陸へ向かう県道93号線沿い。隣には湊川が流れています。

駐車場が作られているので観光には訪れやすい場所ですが、ほとんど人気がありません。

駐車場から参道が坂道になっており、これを登っていきます。

入口の案内板によると奈良時代に行基が一夜で作り上げたという伝承があるそうです。実際は横穴式の古墳を鎌倉時代に信仰の場としたのではとのこと。

まず目に入るのはお地蔵さん、不動明王、馬頭観音など歴史を感じる石仏たち。湊川沿いということで交通の神様である馬頭観音の存在は納得です。

登っていくとこのような石窟が現れます。階段がつけられており、中を見学することが出来ます。

中には年季の入った机と椅子があって廃墟然とした感じですが、壁に掘られた観音様の姿は感動的です。

続いて観音堂の背後にトンネルを発見。これは観音堂の背後を回廊状に回れるようになっています。暗いのでスマホのライトで照らしながら中に入ります。

回廊の入口には仁王像があり、その先には観音菩薩がズラリと並びます。数百年、場合によっては1000年以上の時を経て、この光景に出会えたことに感謝

出口付近には比較的新しそうな(と言っても江戸時代)石仏がありました。左は三猿が描かれているので庚申塚的なもの?右は不動明王でしょうか。

社殿から見て左手(入口からは奥側)にも石窟がいくつもあります。

こちらも中へ入ることが出来ますが、彫りこまれた観音像は大分薄れてしまっています。

最後に観音堂。奥が石窟となっていて、そこに御本尊が安置されているようでしたが、撮影はできず。公開されるタイミングはあるのでしょうか??

ということで岩谷観音堂の紹介でした。タイムスリップしたかのような雰囲気で、地域の歴史を伝える素晴らしい遺産だと思います。なかなか一般に知られていないのが勿体ないと感じました。

富津市と合併せず、天羽町のままであれば、もっと積極的にPRされていたのかもしれません。階段の手すりは大分老朽化しているので、上り下りは慎重にしないといけませんが、一度は訪れて欲しいところです。