富津 元洲砲台 明治に作られた東京湾要塞

富津岬の先端にある富津公園内には明治時代に東京湾防備のために作られた東京湾要塞の一翼を担った元洲砲台跡があります。公園内は無料で見学できるので行ってきました。

こちらは戦国の城のように周囲を堀で囲まれており、橋を渡って中へ入ります。戦国の城と違うのは土塁の上に構造物が無いという点で、大砲に撃たれても分厚い土塁がガードできるようになっています。

橋を渡った先にある入口は両側が房州石による石積みとなっています。鋸山から切り出された房州石は数多くの近代建築に使用されていましたが、その中でも東京湾要塞の砲台群は有力なものの一つです。

内部はこの通りで、もともとは兵舎などもあったのでしょうが、今はその痕跡はありません。周囲を土塁で囲まれているところに近代要塞の雰囲気を感じます。

内部には房州石の構造物が残っており、一部はレンガ造りとなっていました。

こちらの煙突みたいなのは火薬庫の通気口となっているそうです。火薬庫は埋没して見学することはできませんが、整備が進めば復活するかもしれません。

こちらの凹みは砲台に配備されていた28糎榴弾砲が置かれていた場所になります。巨大な大砲を発射する衝撃を吸収する がっちりとした作りです。

明治の砲台なので海上の敵から見えないような場所になっていますが、空から見ると一目瞭然。航空機の時代になって使われなくなったのは納得です。

砲台の上からは周囲を囲む堀を一望できます。この眺めは近世城郭の雰囲気ですね。

見学後はこちらの橋を渡って出ましたが、こちらはおそらく公園開設時に作られたもの。昭和30年代のものなので、現代のものと言いつつ、今となっては時代を感じる作りです。