1300年の歴史を誇る真野大黒

館山の先、九重駅から千倉方面へ行ったところに真野寺があります。安房国三十四ヶ所観音霊場の25番となり、大黒天を祀るお寺です。

歴史的には日本寺と同じ神亀2年に行基が開山し、弘法大師・慈覚大師が訪れたという古刹です。

本堂へは急な階段で登る男坂と、脇の緩やかな坂道を登る女坂があります。毎月6日が縁日となっており、護摩祈禱とマルシェが行われるようで、その準備がされていました。

参道を登りきったところにある本堂。この中に本尊の観音菩薩、風神雷神、二十八部衆の木像があり、本尊の左手には地蔵菩薩と十王像、右手には大黒天の木像がありました。

本尊の千手観音は行基作といわれていますが、学術鑑定の結果、平安時代後期の作と推定されています。ただ、それでも1000年近く経過しており、安房地域ではかなり古い仏像です。大黒天も鎌倉時代の作で関東地方では最大級のものとのこと。

他には波に伊八の彫刻が本殿と祈祷殿に彫られており、房総屈指の古刹ということができるでしょう。

ちなみに天井画は令和2年に奉納されたそうで、寅さんや鴨川シーワールドの絵があったりして楽しいものでした。