中佐久間の密蔵院と不動橋
中佐久間にある密蔵院へ行ってきました。2月になって頼朝桜とお堂の対比が美しい場所でした。
鋸南町史によると真言宗の寺院で不動明王を祀っているとのこと。本尊は秘仏で寅年にのみ御開帳を行うそうです。770年良弁僧都の作で大山不動尊と同木とのこと。
源頼朝が安房上陸後にここへ祈願した結果、将軍なったとのことで20石を与えられたとの言い伝えがあるそうです。また里見義実の安房下向の際も、ここの不動尊に祈願して一国の主となったとのことで、立身不動として知られているそうです。
社殿は佐久間十王堂のものを移築し、明治11年に完成。縁結びの不動としても有名で、その年の花嫁が正月28日の縁日に参詣するのを例としていたとのこと。
今見てみると社殿はしっかりしているものの、壁は格子のみの吹き曝しとなっていて、中の畳もだいぶ砂にまみれていました。不動明王像が安置されており、その隣にカーテンで隠された像があったので、そちらが御開帳される本尊かもしれません。
寺で平穏祈願を行った時に虹が掛かり、その虹の麓で見つかったという蛇骨が寺内にあるとのことですが、あらかじめ分かっていないと気づきませんでした。これはワニの化石だそうで、再訪したときに探してみようと思います。
石彫の不動尊像が3体あり、武田石翁の作とも言われているとのこと。再訪の際に詳しく見る必要がありますね。
お寺の前の三差路には六地蔵がありますが、現存するのは4体でみな首が失われています。
その六地蔵前には佐久間川支流に架かる小さな橋があります。名前を「不動橋」といいますが、よくよく見て見ると・・・
なんと房州石によるアーチ橋でした。下流側に幅員が拡張されていますが、美しいものです。保田の汐止橋よりずっと小さいですが、町内に2つだけ残る貴重な歴史遺産です。
こちらの橋は明治20年3月の竣工で、汐止橋より8年前になります。この時代は下佐久間でも盛んに石切りを行っていますので、そこで採れた石を使っているのかもしれません。
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