元名の古刹 存林寺

鋸南町の元名にある存林寺に行ってきました。日本寺と同じ曹洞宗の寺院であり、日本寺と争った岩殿観音が最終的に存林寺支配となるなど、地域の中で大きな存在感を持って来たお寺です。

町史の記述を見ると、日本寺で学んだ鶴庵存林という人が元和7年(1621)に創建したとのこと。

山門に掛かる「亀福山」の扁額は近衛文麿によるものだそうです。

本堂には波の伊八による須弥壇の彫刻があり、武田石翁による開山雲嶺禅師像、韋駄天像、ガマと兎の作品があるとのこと。本堂は開いていなかったので外からお参りするに止まりましたが、いつか拝見したいものです。

ちなみにこのお寺は明治26年の相馬事件によって中央を追われた後藤新平が、1年半にわたって逗留した場所でもあります。この時、荒廃した日本寺の様子を知り、復興に向けて活動を行ったと記録されています。また現在の内房線(当時は房総西線)建設にあたっても、後藤新平の影響は極めて大きかったそうです。

また、大正中期には陶芸家であるバーナード・リーチが日本の陶芸研究の為、1年ほど滞在した記録があるそうです。

境内にはかわいい六地蔵や水子地蔵など、文字に残らない地域の歴史を感じさせるものがたくさん。案内板によると武田石翁の墓もあるとのことでしたが、墓地を探してもコレと分かるものはありませんでした。

詳しい案内があるときに再訪してみようと思います。