水没丁場エリア
水没丁場1
山の中を進んでいくとコンクリート舗装の自動車道が現れます。滑り止め舗装の凸凹道が苔むしており、雰囲気があります。
コンクリート舗装が出現するとすぐに、ヘアピンカーブを描いて道が急激に登り始めます。斜面になったために倒木も多く、房総半島台風の影響を強く感じさせます。
ヘアピンを曲がったところの奥に掘割があり、ここを分け入って中に入ります。
中は気温が低く、ひんやりとして一種神聖な感じのする空間が広がっています。内部はかなり広く、途中天井から地下水がしみだして水音がしています。奥には屈曲した切通しがあり、その先には明かりが漏れています。
内部の壁には石切りの際のノミ跡がきれいに刻まれており、100年以上前の石工たちの息遣いが聞こえてくるようです。
金谷側には吹抜洞窟という石切り場がありますが、それと似たような形状です。丁場の大きさとしては元名エリアで指折りの規模だと言えます。吹抜洞窟は内部に入ることが出来ませんが、ここは進入可能だというのも魅力の一つと言えるでしょう。
小丁場4
水没丁場1の脇に樋道があり、そこを上に登っていったところに小さな丁場があります。仮に小丁場4と名付けた丁場があります。
石切の痕が2段に分かれている小規模な丁場です。この付近はかつて斜面の崩落があったのか、石切りに伴って伐採したのか分かりませんが、背の低い灌木やトゲトゲの木が多く、非常に移動し辛い場所でした。
この奥にも石切り場があるのかもしれませんが、この先は未探索になります。
水没丁場2
水没丁場1から自動車道に沿ってさらに進んでいくと、コンクリート舗装が終わる辺りで左手に石切り場が出現します。
切り立った石の壁に近づいてみると、水の溜まった丁場が出現します。天井付近が丸みを帯びている様子が先ほどの水没丁場1と同じ感じであり、ここを掘っていたのは同じ石屋ではないかと思われます。
水底は落ち葉に覆われており、石を投げ込むと相当の深さになっていることが分かります。自動車道からは丁場を上から覗き込む格好になりますが、脇を見ると搬出口が設けられています。
搬出口から斜面を下っていくと内部に降りることが出来ました。水没丁場1と違って奥行きはなく途中で終わっていますが、それでもスケール感は素晴らしいものがあります。
中から丁場の上を見上げるとこのようになっていました。この秘境感が素晴らしく、麓から歩いて30分ほどで次々とこのような景色が現れる元名石切り場の魅力を感じます。
小丁場2
水没丁場2の脇には石垣で組まれた樋道が残っており、これを辿っていくと小丁場2と名付けた丁場が出現します。
高さも幅もそんなに大きくない丁場ですが、森の中に突然出現するのっぺらぼうのような真っ白い壁面は存在感があって面白いものです。
小丁場1
水没丁場2から自動車道に沿って再び進んでいきます。背の低い灌木が続いており、コンクリート舗装は無くなっています。
そこに現れるのが小丁場1と名付けた石切り場です。自動車道沿いということで分かりやすい位置にあり、番号が1なのは、最初に発見した小規模丁場だからです。
小規模と言いつつ逆階段状になっている天井と、奥へ掘り進めた垣根彫りの跡が明確に分かる石切り場です。金谷側にある猫丁場と同じくらいの規模感という印象ですが、猫のレリーフはありません(笑)
弐の丁場
自動車道を更に進んでいきますと、左手には数段に組まれた石垣が現れます。この石垣をよじ登った後の眺めは素晴らしいものがありました。
そして景色とは反対側には石切りによって削られた石壁がここにも出現します。ここは展望台エリアの石祠丁場の真下になり、ズリと思われる石の山を登ると石祠丁場へと行くことが出来ます。
丁場には何やら文字が彫られており、漢字の「弐」のように見えたので弐の丁場と呼称します。「弐」の字の左には「た」の字らしきものが彫られており、何かの記号だったのかもしれません。
ドラム缶広場
弐の丁場に行くと自動車道に戻るのは大変ですが、自動車道を登りきったところには掘割が出現します。
ここは広いスペースになっていて、ドラム缶がいくつか転がっていました。作業員を載せたトラックの終着駅だったのではないかと考えています。
広場の先は坂道と平坦な道の2つに分かれていて、坂道の方は昭和の作業道、平坦な方は明治/大正の車力道であろうと考えています。この先は展望台エリアに続いていきます。