マーセル・リンク『高勝率トレード学のススメ』を読む

トレード関連の本を読むこと

私はFX商材を購入してサポートに問い合わせたり、セミナーへ行ったりしてトレードについて学びましたが、本を読んで勉強したいとも思っていました。

ただ、実際に専門書を買って読んでみると書いてある内容が理解できなかったり、著者の言おうとしている言葉の意味が分からなかったりで、あまり役に立つものではありませんでした。

その後、いろいろなトレーダーの話を聞いたりしていくなかで教えてもらった本で「これは自分に役に立ったな」というものを紹介していきます。

高勝率トレード学のススメ

今回ご紹介するのはマーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』です。私にとっては著者が言っていることが初めて理解できた書籍でもあります。

試行錯誤の末に「トレードというのは高勝率のポイントを辛抱強く待つこと」なのだなと実感し始めた時に出会った本で、私の実感していた内容が丁寧に解説されていました。値段は高いですが勉強する価値はある内容ですし、トレードで稼げればいくらでも取り返せるので勉強代は惜しむことなく使うべきです。

内容は分厚いので全部は紹介できませんが、「はじめに」の中にもトレードに役立つ名言がいくつもありますので、それをご紹介していこうと思います。

相場環境認識ことがポイント

勝つトレーダーは負けるトレーダーとは行動様式が根本的に異なる。つまり、成功するトレーダーが利益を上げ続けることができるのは、トレーダーが陥りやすい落とし穴を避けながら高確率トレードを行うからである。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

トレーディングは一種の学習プロセスであり、マスターするには時間がかかる。その学習プロセスから学ぶべきことは、高確率の状況と低確率の状況とを見分けられるようになることである。このフィルタリング能力が身につけば、確率の低いトレードは排除し、確率の高いトレードだけ集中して取り組むことができるようになる。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

「いきなり名言が出てきた」と読んでいて納得しました。いくつもの手法を試してみて、勝てる場面もあるが継続して勝てない。勝てる場面と負ける場面で何が違うのかを考え続けていますが、それを端的に指摘しています。

今の相場が勝ちやすい状況であるか、負けやすい状況であるかを正しく認識できればトレード手法は何を使っても構わないと私は考えており、それが本書の内容と合致していました。

トレードの経験を積み重ねることが大切

トレーダーにトレードの方法を教えるのはいとも容易で、最も低いリスクで最高のリワードが期待できるトレードが最も成功する確率の高いトレードであることを教えるのも簡単だ。しかし、1000ドルの損失を出すことがけっして誇張ではないことを教えてくれる本はないし、損失を心理的にどう処理すればよいのかや、感情がトレーディングにどんな影響を及ぼすのは、本を読んだだけれは分からない。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

トレーディングを始めて最初の2~3年は過ちの連続だ。しかし、これらの過ちはとても貴重なものである。トレーダーは自分のやっていることが間違っていることを認識して初めて、二度と同じ過ちを繰り返すまいと全神経を集中させるようになるからだ。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

手法を学べばすぐに利益を出せるようになると、多くの商材は謳っていますが、そんな単純なものなら苦労はしません。相場の9割の人が負けていると言われているように、正しいやり方を知っていても勝てないのです。

こういう場面は危ない、こういう事はやってはいけない、こういう場面は勝てる、という経験値を自分の中に蓄積していって判断ができるようになるまでは時間がかかります。そして、その判断ができるようになっても、一時の感情に負けて、危ない場面で入ってしまうのが人間です。

相場と根気よくコツコツと向き合い続けて研究を続けることが大切です。

ルールを守るということ

ベストトレーダーたちは勝算ありと見込んだときにだけトレードを行う。市場が開いているからトレードするのではない。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

要するにトレーディングスタイルは問題ではないのである。規律を持ち、しっかりしたトレーディング戦略とマネーマネージメントプランがあればお金は稼げるのである。

マーセル・リンク著『高勝率トレード学のススメ』

ルールを守ってトレードするということは、言うのは簡単ですが実践するのはものすごく難しい。トレードをするということは自分自身と向き合うことと同じだと私は感じています。

ルールを無視して自分勝手なトレードをする、やってはいけないと頭で分かっていてもやってしまう行動というのは自分の人格が驚くほど現れてきます。ルールを無視したエントリー、不必要に大きなロット、損切り線を後から引き下げるなど、勝手なことをやって大きな損失を出して痛い目に合います。

私自身は「突発的に何かが起こった時に慌てる」というのがあり、日常生活でも瞬時に何かを判断するのが苦手で、じっくり慎重に考えるタイプです。それがトレードに見事に反映されてしまい、急騰につられて適当なロットで飛び乗って負けるとか、揉んでいる相場で負けた後「やっぱり思った方向に行く」と思って再エントリーして連敗するといったケースが本当に多いです。

過去検証や負けトレード分析で自分の傾向が分かれば、指標発表時に相場を見ないとか、エントリー後に相場観察しないといったシステム的な回避方法を取り入れることが可能になります。根本的にはいつでも冷静でいられるような自分になるという人格改造的なものまでもテーマになってきます。

トレードは大きな可能性を秘めていますが、本当に奥が深くて、なかなか勝てるようになりません。それを理解したうえで辛抱強く相場と向き合っていきます。