トレンド相場とレンジ相場

今がトレンド相場とレンジ相場なのかを判断することがFXでは重要です。

トレンド相場

ダウ理論

ダウ理論は相場のトレンドというものを定義した理論です。それによると「波形の高値、安値が切り上がっている」ことが上昇トレンドの条件、逆が下落トレンドの条件となります。

そしてトレンドの定義から外れるまでトレンドは継続するとされています。

スイングトレードを行うトレーダーはダウ理論に従ってトレンドが確定したところでエントリーして、トレンドが崩れるまでポジションを持ち続けるトレードを行っています。その結果、損益比1:10といった極めて大きな利益を上げることができるのです。

エリオット波動理論のトレンド相場

エリオット波動理論は相場を推進波と調整波に分けて考えます。そして推進波と調整波が交互に現れることで相場が形成されていきます。

推進波は5つ波に分かれて形成され、1波でトレンド方向への動きが発生し、2波で調整の波形を形成、そこから3波でトレンド方向に動き、4波で調整し、最後5波でトレンド方向に動いてトレンドが終了するという動きになります。

1波、3波、5波の中を細かく見ていくと、その中でも推進波の5波動が形成されます。一方、トレンド中の押し目に相当する2波と4波を細かく見ていくと、ここでは調整波のパターンが形成されています。

調整波は比較的シンプルに3波で形成される場合と、複雑な5波を形成する場合に分かれ、その中でも5波の場合は様々な相場のパターンが存在します。

相場状況を把握する際に、エリオット波動に基づいた推進波のどこに今いるのかを見ると、エントリー後に伸びていきそうかという予測が付くようになります。私はこれを学ぶことによって負けパターンの1つを解決しました。

実際のチャートで見てみる

実際の下落チャートにてトレンド相場を確認してみます。相場が形成する波形の頂点を線で結んだものですが、上昇してきた相場が下落に転じて①のポイントで高値安値の切り下がりが確認されました。

赤太線で引いたラインをブレイクすると、その後どこで波形を形成しても安値の切り下がりは確定するので、ダウ理論上の下落トレンドが確定します。スイングトレードを行う人の場合、トレンド確定したところでエントリーして持ち続けるという手法を採用することもあります。

そこから順調に下落していった相場は②のポイントで直近波形を切り上げてきたので、ここで下落トレンドは終了となります。

ダウ理論の「トレンドは継続する」という言葉の通り、トレンド中はどこでエントリーしても最終的にトレンド方向に動いていくことになるので、トレンドフォローの手法は分かりやすいと言えます。

これにエリオット波動の見方を組み合わせると、①付近でやや水平方向に相場が流れているので2波が形成され、その次の波形もやや水平方向なのでこれが4波、そこからの5波が結構伸びていったパターンかなと思います。

これは完成したチャートを見た今だから言えることで、実際にチャートに向き合う時に今が何波かを判断するのは難しいです。この判断を極めて利益を出しているトレーダーもいますが、私はそこまで出来ていません。

ただ調整波の位置はとにかく、推進波として大分伸び切っているなという感覚は分かりますので、②付近でエントリーすることは避けて「次のトレンドが発生するポイントを狙おう」という判断をしています。

レンジ相場

レンジ相場はトレンド相場とは逆に、相場が一定の範囲内に収まって上下している相場を指します。上記のチャートの通り、レンジ内は相場が上に行ったり下に行ったりして不規則な動きをしています。

相場というのはトレンドが3割、レンジが7割とも言われます。トレンドフォロー手法をとる人の場合、レンジ内はトレンドが伸びないのでレンジ相場は何もしないで放置します。

一方、スキャルピングやデイトレの手法の場合は1回の利益額が少なく、回数を重ねて利益をとっていくスタイルなので7割を占めるレンジ相場も攻略対象になります。トレードは相場の規則的な動きに合わせて行うものなので、レンジ相場に対応した手法としてはレンジの上下付近で反転するタイミングをとらえてトレードするのが一般的です。

レンジ相場は水平方向に向かうのが基本ですが、上記のようにゆるやかなトレンドを作りながら不規則な動きをしていくパターンもあります。これはレンジというよりチャネルと言われますが、私はレンジ同様にエントリーを避けるようにしています。