トレンド相場を追いかけるEAを作ってみた

トレンドフォロー戦略の悩み

私の手法はトレンドフォローのピンポイントの1点を高勝率で狙っていくものです。これにはトレード回数が少ないというデメリットもあります。

それをカバーするために、私はスイスを除く先進国21通貨ペアを見て、トレンドの発生している相場を狙っていきますが、それでもトレード頻度は週に0~2,3回程度です。トレードシナリオを描いてノートを付け、相場が動いていくことを期待しながら失速してノートレードというような日々が多いです。

トレンド方向に相場が動いても、そこから押し目を作らないとトレードロジックを満たしたことになりません。そうするとちょっと勿体ないなあという気持ちが出てきます。

そこで今回、トレンド相場向けのトレードロジックを組んで検証してみることにしました。

EAのトレードロジック

EA稼働の判断

今回トレンド相場を狙うEAですが、現在の相場がトレンドorレンジを判断させるのは非常に難しいので、そこは手動にすることにしました。

4時間足ベースで明確にトレンドが確認されたところでEAのスイッチをオンにして、4時間足のトレンドが終了したらEAをオフにします。

EAの機能

外部パラメータ

EAに与える外部パラメータは「トレンド方向」「リスク」「売買停止ライン」の3つを定義しました。

「トレンド方向」には4時間足ベースのトレンド方向を設定します。これによって決められた方向へのシグナルが点灯した場合にエントリーを実施します。

「リスク」は1回のトレードで損切りになる最大幅で、デフォルトは口座残高の2%としました。

「売買停止ライン」は、この価格を超えた場合はシグナル点灯してもエントリーしない価格を入力します。4時間足ベースでトレーリングストップの要領で手入力しておき、トレンド転換した場合に負け続ける事態を回避します。

エントリーシグナル

エントリーシグナルは移動平均線のクロスとしました。EMAの10と35を使用します。これはマーセルリンクの『高勝率トレード学のススメ』に紹介されていたパラメータで、トレンドの大きな波を捉えやすいなあと感じています。

外部パラメータでトレンド方向が「買い」に設定された場合はゴールデンクロス、「売り」に設定された場合はデッドクロスでのみトレードします。

予め現在のシグナルをグローバル変数に持っておき、これが変わったことを契機にエントリーロジックが動くようにしました。なので上昇方向でEA稼働時にゴールデンクロス中だった場合、いったん押し目のデッドクロスが発生し、それが再度ゴールデンクロスした時点でエントリーしなります。

いろいろなインディケーターを使うのではなく、シンプルなロジックで結果を求めていくようにします。

決済

決済はトレンド方向と逆側のシグナルが点灯した時点で行います。トレンドが続く限りは利益を伸ばしていくロジックです。私は損益比1:2のように固定した値を裁量トレードでは設定していますが、EAの方はできるだけ利を伸ばすようにしました。

相場が反転した場合も早期にEMAのシグナル点灯するので、細かな損切りを重ねつつ、大きなトレンドを狙っていくということになります。

損切り設定

これがどうしようか悩んだところです。今回のロジックではEMAのクロスで決済するので、クロスするまでは持ち続けるのがセオリーです。

しかし突発的な動きで急激に反転した場合、許容範囲以上の損失を被る恐れがあります。

ローソク足が確定した時点で決済することにしているので、シグナル点灯前でも強制的に決済するラインを決めなくてはなりません。今回のロジックは4時間足のトレンド中に何度もエントリーを繰り返すので、固定した値を設定する訳にもいきません。

そこでATRの2倍のpipsを損切りに設定することにしました。そこまで逆行した後、ヒゲになって本来のトレンド方向に向かったとしても諦めます。

検証

検証期間とトレンド判断

今回の検証は直近でトレンドが出ていたニュージードルで実施します。上は4時間足チャートです。

上昇からの調整と思っていた相場が〇印のポイントで200EMAをした抜けて勢いも出てきていることから、上昇と思った相場がダマシで反転になったと判断します。

斜めに引かれている2本のトレンドラインは日足ベースで調整波の平行チャネルラインになります。チャネルブレイクの上昇が失速して戻されたというイメージです。

そこから下落が始まり、波形の高値を更新する〇印のポイントでトレンド終了です。トレンド開始/終了の期間で30分足のEAを稼働させて結果を確認します。

検証結果

検証結果は約1ヶ月のトレードで10%程度の利益でした。

詳細を見てみると8勝17敗で勝率は32%、平均利益51,263に対して平均損失-16,442なので損益比は1:3を超えています。

一般的にトレンドフォローは勝率が低くて利益額が大きいというのを証明するような結果となりました。

検証チャート

詳細に分析するためにEAを動かしたチャートを表示してみます。勝ちトレードは青丸、負けトレードは赤丸にしています。

4時間足の下落トレンド中ですので、30分足の調整波では損切りが発生し、トレンド方向に向かった際にはきちんと利益になっていることが分かります。EMAが10,35なのでシグナル点灯回数は抑えめで、利益を伸ばすということができています。

中盤以降にぽつぽつと、長い上ヒゲを出してから下落するような場面がありますが、ローソク足の確定を待って決済するロジックなので、ここで決済したり利益を吐き出すようなことはありません。

こうした検証をいくつかの場面で行いましたが、トレンドの発生を見誤ることが無ければ利益を出していくことはできそうです。次はデモ口座を利用してトレードを行い、実際の4時間足チャートを見た時に自分がどのような判断を行うのか更に検証していきます。