サポートされたという判断
冷静な判断を曇らすバイアス
ラインやインディケーターにローソク足がサポートされたことを確認してエントリーする。言葉にすればこれだけですが、サポートされたことをリアルな相場で確認するとなると迷いやバイアスが掛かってきます。
今回は私が実際にそうして迷い、失敗した相場について解説していきます。
移動平均線にサポート

こちらのチャートは売り目線で観察していた場面です。直近の下落が終了して調整に入り、そこからの再下落を狙っていきました。長期の100EMAと200EMAを表示しており、それにサポートされたことを確認してエントリーするロジックです。
①の場面
下落に対する調整を確認してチャンスをうかがっていた場面で、予想通り相場が調整を始めたので、いつエントリーしようかと待ち構えていました。なので相場の下落トレンドが必ず直ぐに発生するというバイアスが掛かっていた状態です。
するとEMAを上抜ける上昇が発生してダメかと諦めかけたのですが、それが再びEMAを下抜けてきました。そうなると「やっぱりした方向でEMAが機能したんだ」ということになり、ここで売りエントリーを行いました。
後から相場を見てみると、EMAを明確に突き抜けているのでサポートされているとは言い難い場面ですが、ちょっと深く戻しているだけだから問題ないと思ってしまったところが反省点です。
そもそもEMAにサポートされているということは、売り圧力が強く買い圧力がそれほどでもない状態を示しています。今回はEMAをブレイクするという現象が起こっており、その後戻されているとはいえ、売り買いの圧力がどちらも強いと言えます。
現象の裏に起こっている背景を考えればこのように説明できるのですが、トレード中はそんなことまで意識しておらず、単純にEMAを上抜けたもののすぐ戻されたという事実だけを見てエントリーしていました。
過去検証ではローソク足が次々と現れるのでスルーしているかもしれませんが、リアルにトレードすると「もうすぐシグナルが出たら勝てる」という意識に引っ張られてエントリーしてしまうという好例です。
②の場面
EMAをした抜けてエントリーした相場が戻ってきた場面です。EMAにサポートされたことを根拠にエントリーしているのにEMAより上に戻ってきているということは、エントリー根拠が崩れたという事であり、損切り線の手前でしたが決済しました。
「EMAはブレイクしたけどヒゲを付けて揉み合っているから、きっと戻るさ」という願望を持っていましたが、その後に高値更新して本来の損切り線に達していたので、早期の手仕舞い自体は悪い判断ではありません。(相場の揺れに一喜一憂するのではなく、自分がエントリーした根拠が崩れたことによる判断です)
③の場面
②で損切りした後に下落の動きが出て、そこからの戻りがEMAにサポートされました。相場をタッチするもヒゲで戻され、次のタッチはブレイクの陽線でしたがすぐに陰線となって毛抜き天井のローソク足形状。
いずれもここから下落するというシグナルになっています。本来はここまでエントリーを待ってトレードするべきでした。その後の相場は下落してトレンドがしっかり出ているので、正しくエントリーしていれば利益になった場面でした。
ちなみにチャートは5分足ですが、①の場面から③の場面まで3時間が経過しており、トレードする際に辛抱強くチャンスを待ってタイミングをとらえることが大事かが分かります。相場全体にかかるトレンド方向の読み方は正しくできていたのに、エントリーするタイミングで歪んだエントリー判断をしてしまったことが原因です。