ラインの認識

サポートラインとレジスタンスライン

相場は波形を作りながら一定の方向のトレンドを形成していきます。形成された波形の頂点というのは相場の中で意識されやすい価格帯であり、チャートを見るときに必ず確認するべきポイントになります。

実際の相場でラインを見る

サポートレジスタンスの転換

チャートの波形の頂点に矢印を付け、水平のラインを引いてみました。これを見ると下落中の①の場面で、前回安値を付けた波形のラインで次の波形の高値が抑えられていることが分かります。

この時、下落できずにいったん止められたラインをレジスタンスライン(抵抗線)、下抜けして支えられたラインをサポートライン(支持線)といいます。①の場面では一度安値を付けてレジスタンスラインが形成された後、下抜けした相場によってレジスタンスラインがサポートラインへと転換しています。

このようにサポートとレジスタンスの転換というのが相場ではよく発生します。それを利用してサポートラインで反転したところをエントリーするトレード手法も多く、このことはしっかりと抑えておくべきポイントになります。

ラインが機能しない場面

②の場面では下落している相場が前回安値のラインに支えられることなく、その1つ上のラインで止められています。

これは「本来サポートラインとして機能することを想定したトレーダーが多いにも関わらずラインが機能していない」ということになるので、相場の下落圧力が弱まったという解釈ができます。(ただし波形の高値を上抜けてはいないので下落トレンドは崩れていません)

レジスタンスラインが強い場面

③の場面では下落した相場がレジスタンスラインを突破できずに止められています。下落トレンド中に3回止められてしまい、上昇圧力も大分高まっているということが分かります。

上下の圧力が拮抗した状態でレンジ相場が形成されました

トレンド転換

形成されたレンジ相場を④の場面で勢いよくブレイクしてきました。これによって相場の波形高値として機能していたサポートラインがブレイクされ、ダウ理論上の下落トレンドが崩れました。

相場はラインに支えられる形で上昇していき、波形高値を更新することでダウ理論上の上昇トレンドが確定します。しかし、レンジブレイクしてからラインに支えられて上昇するというのは、かなり相場の圧力が強いということでもありますので、このような場面で上昇トレンドが確定する前の波形でエントリーするというトレード手法も有効になります。

トレンドライン

サポートラインとレジスタンスラインはチャートに対して水平に引かれますが。トレンドラインは斜めにラインを引きます。

一度トレンドが出ると、トレンドラインに沿って波形を形成することが多いので、これをトレードのサインとして使用している手法もあります。ただ私はトレードのサインというより、現在のトレンドが終わったかどうかを判断する材料として活用しています。

実際の相場でラインを見る

トレンドのサポートとして見る

上昇トレンド相場でトレンドの始点と形成された波形を結んでトレンドラインを引きます。①のラインを見ると、その次の相場の波形もトレンドラインに反発されて上昇しており、トレンドラインががサポートラインとして機能していることが分かると思います。

切り返しのタイミングを見る

上昇相場が終了していったん下落のトレンドに転換しますが、ここから切り返して再度上昇に入ります。

上位足が上昇トレンド中であれば、この下落トレンドは上昇中の波形ということになりますので、下落トレンドラインをブレイクした相場は再度上昇になる可能性が高いと言えます。

私はこのように上位足を見ながらエントリータイミングを計るためにトレンドラインを使用しています。

トレンドラインの引き直し

②の場面では切り返して上昇した相場が、更に勢いをつけてトレンドの角度が急になっています。このような場面ではトレンドラインの引き直しを行います。

緩やかだったトレンドが勢いをつけて急角度になるのはよくあることなので、今現在のトレンドに合わせたラインを適宜引き直していく必要があります。