マルチタイムフレーム

相場の構造はフラクタル

「トレンド相場とレンジ相場」の記事内でエリオット波動理論の話を書きましたが、推進波でトレンドが伸びている状況では、トレンド方向に伸びているチャートを細分化すると、その中に推進波のパターンが存在し、押し目を付けている場面を細分化すると、その中に調整波のパターンが存在します。これをフラクタル構造と言います。

トレードする前に上位足を確認する

トレンドを狙っていくトレード手法を使用している場合、当然ですがトレンドが伸びていくことを期待してトレードする訳です。相場がフラクタル構造であるということを理解すると、自分がトレードしようとする相場が大きな視点で見た時の推進波内であれば勝率が高いということが分かります。

現在の相場が推進波であるか、調整波であるかは上位時間足を見ることで分かります。5分足でトレードするなら30分足や1時間足、1時間足でトレードするなら4時間足や日足確認すれば、相場全体がどの方向に向かっているのかが分かります。

こうして複数の時間足を見ながらトレードを行うことをマルチタイムフレームと呼びます。

マルチタイムフレームで相場を見るとは

私が最初の購入したFXの商材はスキャルピング寄りのロジックのものでした。その商材では15分足か5分足が推奨されており「自分のトレードする時間足以外を見ると混乱するので見ない方がよい」というように言われていました。

その後、別のトレンドフォロー手法の商材を購入してマルチタイムフレームの考え方を知り、自分の過去トレードを一つ一つ検証していったところ、負けた場面が上位足のレンジ相場内で、相場が不規則な動きをしていたところが多いという発見がありました。

その経験から相場が伸びることを期待してエントリーするのであれば、上位時間足から相場状況を確認するのは必須だと考えています。

当時の私は相場の波形の切り返しでエントリーするやり方でしたが、確実に切り返したことを確認してからエントリーしていたのでエントリーが遅く、その分ある程度相場が伸びることを期待したトレードとなっていました。

スキャルピングの考え方で利益を細かく取っていくのであれば、相場が伸びるかどうかは関係ないので、エントリーチャンスを探すことだけに集中することにもメリットがあります。しかし、相場が伸びることを期待するのであればすでにスキャルピングではありません。

自分自身のトレードロジックの性質をきちんと把握して、それに合った相場分析のやり方をしていくことが大切です。

実際に相場を見てみる

今回はこのように明確に下落している相場をサンプルとして用意しました。明確な下落トレンドで、ピンクで色付けした部分が推進波中の2波で調整相場ということが言えます。

推進波の相場

調整波をブレイクして推進3波が始まった部分の下位時間足です。下落方向に明確に向かっているので、ここでタイミングを捉えて売りエントリーすれば、そこからトレンドが伸びていきやすいということが分かると思います。

調整波の相場

一方こちらは調整波を下位時間足で表示したものです。じりじり下落方向には向かっていますが、突発的に上昇したと思ったら急落したりと、大分不安定な値動きをしていることが分かります。

このような場面で利益を伸ばそうと思っても、とても難しいことが分かるでしょう。エントリーした相場がどの方向に向かっていくのかが読めない状況なので、トレードを見送って、分かりやすいトレンドが発生するのを待つというのが賢いやり方です。